方言地図について。〜てもらいたい。〜てほしい。

以前に某所で書いた小文ですが、最近は特に若い人の言葉の乱れが気になる。イントネーションが関西だったり東北だったりしていて標準語なんてものは無視されているのか。わざとギャグ的につかっているのか。地方から出てきた若者の言葉がいりまじって、東京弁も今やあいまいになっている。

ところで、方言地図というのがあって地方の暮らしや歴史などの違いがわかり、 民俗学的にみても、言語学的からも想像力をかき立てる。

歌謡詩を書いているといっそう興味深い言葉の違いがある。
「〜てほしい」と「〜てもらいたい」の違い。東京では大正時代あたりまではほとんど「〜てもらいたい」が主流であったそうで、「〜てほしい」は関西が主流の言葉であったようだ。同じ意味だが、このように表現が違う。現在は「〜てほしい」のほうが、多いようにおもうが、これは私の住む北陸地方における感慨でしかないのかもしれない。

東京では「〜てもらいたい」に近いいいまわしで「〜てちょうだい」という言い方もある。女子供の言葉でしかないのかもしれないが、関西ではなんというのかしらない。「〜おくれ」というのを聴いたことがあるが、 「〜ちょうだい」に対して「〜おくれ」なのかどうかは、はっきりしない。
言葉は簡略化して、短くなる傾向にあるというが、東北地方の簡略化までにはいかないだろう。「わ」とか「な」とか一音では極端すぎるだろうから。

「〜てほしい」は軽いが「〜てもらいたい」は江戸時代の武士の言葉のように重い。だが、作家の言葉の頻度では森鴎外、二葉亭四迷あたりは、「〜てほしい」は全く使用してない、夏目漱石でも2%という統計もでている。

たとえば「〜返してほしい」と「〜返してもらいたい」では、どうだろう。「〜てほしい」は直接的なお願いなら「〜てもらいたい」は自尊心の高い願望にきこえるが、皆さんはどのように感じるだろうか。

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